2年ほど前は、EADを初めて取得した後にせっせとレジュメを準備して大学・教育機関の関係職に応募をかけ始めていた頃で(この頃のすったもんだ失敗談はこちら)、まさか自分がアメリカで人を採用面接する側にまわるとは思ってもいませんでした。この経験で、以前は採用面接を受ける側だった身の私も就職活動に関するポイントや考えを多少アップデートすることができた気がするので、その辺りも含めて記録したいと思います。
今回、私が勤めている大学のアシスタント職の若手が大学院進学のため退職することとなり、彼女のポジションを新たに募集することになりました。ちなみに20(-30)代の若手は一旦就職してもその後マスターを取得してスキルアップを目指す人が結構多いです。
面接の注意事項リスト
書類審査を通過した3名ほどの候補者を面接するのでスケジュールを組む、という段階になった際、マネージャーから「面接の注意リスト」がEメールで送られ、必ず熟読し把握しておくようにとの通達がありました。尋ねてもよい質問、ダメな質問をリストアップしたもので、簡単にまとめると以下のような感じでした。
- 人種や肌の色、容姿に関する質問:どのような意味合いであれNG。完全にダメ
- 性別やセクシャリティに関する質問:どのような意味合いであれNG。完全にダメ
- 結婚や子供有無に関する質問:基本的にダメ。しかし勤務時間や出勤日に関して質問するのは可(しかしその場合も出勤可能日等を確認するのがメインであり、「子どもいるの?」などと唐突に訊いてはいけない)
- 信仰する宗教に関する質問:基本的にダメ。しかし勤務時間を確認する事により業務時間が「お祈りの時間」等と重ならないかの確認は可能
ざっと書くとこのような感じでしたが、実際のリストはより具体的な例など詳細がまとめられていました。人種や性別に関しては特に、質問を誤ると訴訟沙汰にもなりかねませんし、そこまで行かずとも「ブラックリスト」入りしてしまう可能性もあります。私としてはこういった質問をしないのは当然という認識ではいましたが、改めて長いリストを送られて「必ず把握せよ」と言われるとなかなかの緊張が走ります。
当たり前ですが、日本で「彼氏いるの?」「結婚は?」などと尋ねる採用担当者はアメリカでは即刻クビですよねえ…。
面接、日本の候補者との違い
1日で3人の候補者のZoom面接を詰め込み、候補者ひとり対スタッフ数名の面接を行いました。その後評価シートに記入してマネージャーにフィードバックを送るというやり方です。質問はなんと、前回私に対してやった質問をほぼ使い回し(笑)。まあ殆どジェネラルな質問しかしないので、それで良いのでしょう。実際の重要な質問はマネージャークラスが個別の面接でおこなっているようです。
で、実際に面接していて思ったのが、「みんな当たり前に堂々としているよなあ」ということ。日本のように「新人らしく、謙虚に」とかいった価値観は全く無いなあと改めて感心します。Zoomで対面したら”Hi!”, “How are you?” くらいの軽い挨拶で、コーヒー飲みながらこちらの話を聞いたり。別に日本もこんな感じでいいのになあと思うのですが、まずこうはならないでしょうな。
採用側にまわって得た教訓
で、3人のインタビュー後に同僚達と話していて感じたのは、採用する側としては「きちんとポジション、仕事内容を理解しているか」が重要であるということ。これを理解していなさそうと思われると、それだけで即落とされるなと感じました。書類選考を通過した時点で実際の経験やスキルは一通り合格しているわけですから、面接では「自分はこの仕事で求められていることが分かっている」というのを明確に示す必要があるんだなと。ちなみにこのインタビューではそれがどうやら「分かっていなさそうだった」候補者が一人落とされました。
これはなかなか私としても良い教訓でした。そしてまた、面接を落とされたとしても、これは本当に面接官の「何となく」の部分と、候補者が求めているらしいものとの条件の不一致などが大きく関係しているので、自分が面接で不採用になったからといって「何かが悪かった」ということではないのだ、ということも覚えておいた方が良いなと感じます。というのも、就職面接ノウハウなどで「不採用連絡があったら、今後のために”自分の何が良くなかったか、改善点はあるか”を訊け」と促すような助言を見聞きしますが、私は個人的にそんなもん必要ないと思います。そんなん気にするよりさっさと別のポジションを探す方がよほど建設的です。
ちなみにこの面接で残った二人には二人ともオファーレターを出したものの、結局こちらが断られるというオチがついてきました。それもまたよくある話のようで。