NYジャズクラブとリオープン

さて無事にEAD更新ができた後(EAD更新が間に合わない⑤)にまず私がやったのは、ニューヨーク行きのフライト&ホテル及び休暇を確保することでした。EADが間に合わずに失業したらすぐさまオツカレ旅としてニューヨークに一人で行くき満々でしたが、EADが間に合っても休暇とって一人旅はしたい。

そんなわけで1週間ほどの休みを取り、パンデミック後のリオープン機運が高まるニューヨークに数日間行ってきました(2021年6月のこと)。

ここで私がどうしても行きたかった場所の一つが、ジャズクラブ。パンデミック以降(2020年3月頃〜)、ニューヨークの全てのジャズクラブが一斉に閉鎖してしまったのですが、それでもストリーミングでライブをやったりなど地道な努力を続けていました。ジャズに限ったことではないですが、ミュージシャンにとってもオーナーにとっても、かなりきつい1年だったと思います。しかし21年6月に入ってから、NY市の大幅なリオープン政策に合わせて幾つかのジャズクラブがオンサイトでのライブも再開するようになりました。いまだに完全リオープンができていないジャズクラブも多々ありますが、少なくともリオープンしたクラブにはぜひ足を運んでお金を使いたい、という気持ちがありました。

人気店THE SMALLSでオンライン予約が可能に

で、今回のEADオツカレ旅行で訪れたのは THE SMALLS という小さめのライブハウス。グリニッジ・ヴィレッジエリアにある、ジャズ好きなら誰もが知っているライブハウスです。パンデミック前は、このライブハウスは$20のチケットを当日買えば、すぐ近くにある姉妹店「MEZZROW」というまた雰囲気の異なるジャズライブハウスをハシゴできるという大変お得なものでした。

SMALLSは基本的に事前予約を取らないうえに超人気店なので、いつも私がフラッと行くときには店はいっぱいで、バンドが演奏している周辺は大混雑で遠目からビール片手に立ち見するくらいしかできませんでした。しかし、今回はコロナ対策もあってか、オンラインで事前にチケットを購入できるではありませんか。値段は$40ほどで以前の倍の値段になるものの、「これで席がきちんと確保できるなら安いものだぜ!」と即予約しました。いっつもSMALLSでは遠目から立ち見コースをしていた私には絶好の挽回チャンス。

SMALLS 外観。小さな入り口から地下に入っていく。グリニッジ・ヴィレッジのライブハウスはそのスタイルが多い

当日、オープンの時間に合わせてライブハウスを訪れると、すでに扉の前で何人かの人が列を作っています。またその周辺にはなんとなくウロウロしているカップル。どうやら事前予約はしていないため、Walk-inで入りたいようです。これはパンデミック以前も予約を取る店は大体こんな感じで、予約済みの客がまず案内され、その後席に余裕があれば当日客も中に入れるという感じになります。

中に通されると、実際特にソーシャル・ディスタンシング等の措置は取っていない模様。それでも普段、パンデミック以前の混み具合からしたらかなり余裕はありますが。そうこうしているうちにウェイターに飲み物を注文しその場で会計、時間通りにライブスタート(意外にもNYのジャズライブハウスは時間通りにちゃんと始まることが多い)。

最近のジャズミュージシャン情報にはかなり疎い私ですが、ニューヨークのライブではとにかく全てがハイレベルなので全く知らんミュージシャンでもとことん楽しめるのが素晴らしいところ。今回のライブはトランペットリーダーによるクインテットでしたが、久々に聞くジャズのライブ音は素晴らしいのなんの。初めは観客の入りの多さにソワソワしましたが、実際にライブが始まると皆さん音楽に集中するので、屋内のレストランで皆がぺちゃくちゃ話をするシチュエーションよりもだいぶ安全かもと思えてきます。ただ、それでもワクチン未接種だったらかなり不安にはなりそう。

Alex Norrisによるクインテッド。大体どのライブを聴いてもハズレがない

この頃はアメリカでデルタ株がそこまで深刻視されていないように思えまししたが、8月5日の時点で、NYのレストランや屋内ライブ活動等においてはワクチンの接種証明提示が義務付けられるという大きな変化がつい先日起こりました。私が休暇を取っていったこの時点ではもちろんそうした決まりはまだありませんでしたが、内心「みんながワクチン接種しているとわかるとライブやレストランもより安心なんだがなあ」と思っていたので、これは個人的には嬉しい取り決め。これでジャズライブハウスに行きたいけど何だかなあ…と思っていた人も行けるようになるかも?

今回はパンデミックに絡んだジャズライブハウスの話でしたが、ちょいちょい人から訊かれるおすすめのジャズライブハウスについても書きたいと思います。

コメントを残す