ブログのタイトルに「アメリカ初心者」と書いていながら、すでにアメリカに住み始めて今年(2023年)夏で7年を終えようとしています。もうじき8年目に突入。
なんだかんだで年数的にはベテラン駐妻(うわぁ…)ということになってしまっているので、ここらでアメリカ駐在で「これだけはやめとけ」的な事をこれまでの経験や知人の話などからまとめてみたいと思います。私自身がもともと他人からあれこれ指図されるのは嫌いな性質なので、他人に何をどうこうせよと細かく勧めるつもりは微塵もないものの、自分や知人の経験談から生まれた法則みたいなものは溜まった感じがします。とりわけ駐在期間が短い人には「ちょっと頭の隅に置いて」おくのも良いかもしれない。
1.何か違うなと感じたことからはさっさと手を引け
駐在帯同でアメリカに来ると決まった途端、いろんな情報が入ってくる。同じ会社の先輩駐妻とか、現地経験者、ネット、ソーシャルメディア諸々。まず配偶者の会社関連だと、おそらく日本人駐妻向けの習い事とか英会話教室のおすすめとかがまず王道として出てくる。興味がある人はやってみれば良いし、興味がない人は全くやる必要ありません(当たり前すぎる)。
重要なのは、日本人向けであれそうでないものであれ、何か集まりや習い事、学校などにおいて「どうも微妙、面白くない」と感じたのであれば、ぐずぐず留まらずにさっさと去って次に行く事だと思う。
友人の例(アメリカ駐在帯同、5年在住)。英語が全くできない(本人談)ため、日本人駐妻を主な標的とした料理教室に通い始める。料理教室の内容自体は面白いが、生徒同士(駐妻同士)の派閥やマウント取り合いがえぐいと言う。教室外でも流されるまま同教室の駐妻ランチ会などに付き合ってきたが、せっかくのアメリカ生活を無駄に過ごしているような気持ちになる(この時点ですでに2年経過)。意を決して現地のコミュニティカレッジのESLに通うことにし、今後この「不毛なランチ会」を断るための口実とする。当然、そのランチ会のボス格の駐妻からは嫌味の嵐を受けるが、そこは耐えて無事フェードアウト。カレッジに通い出すと新しく学校での友達、およびローカルの友達が増えていく。
本人曰く、「もっとさっさと抜け出しとけばよかった…」。
これは私も常々感じていることだが、「何か違う」と思ったことが、もう少し我慢して続けたら後からすごく面白くなるということはまず無い。そのため「何だかな」という物事にはさっさと手を切るに限る。これは別に海外生活に限ったことではないが、とりわけ駐在帯同という限られた期間では不毛だと感じる集まりや活動に時間を費やしている場合では無いのです。この友人の場合、駐在が5年あったから良かったが、2年程度の駐在帯同だったら不毛なランチ会だけで終わっていた可能性もある。
2. やりたいことはさっさとやれ
私がニューヨークのボランティア先で知り合った知人(駐在5年)の例。知り合ったのはセントラル・パークのボランティア。少し話をすると、このボランティア活動に参加すると決めるのに4年かかったという。その人は英語は普通にできるのだが、参加するのに勇気が要ったと言う。ちなみにこのボランティア参加のための能力条件などは無い。4年以上経って参加して、現地の人たちとも知り合えるしとても楽しい!と思った矢先、じき5年経つのでもう帰任準備である。
本人曰く、「もっと早く始めておけばよかった…」。
この手の例は枚挙にいとまがなく、はっきり言って、うんざりするほどしょっちゅう聞く。結構な金額がかかる学校・習い事等であればまだわからなくもないが、ただの無料の集まりやボランティア活動等についても非常によく聞く。日本人は判断が遅いというのはよく聞く話だが、そんな特性を今、ここで発揮している場合じゃないだろと個人的には思う。
1、2を要約すると「さっさとやれ、ダメならさっさと引け」ということになるが、次はもうちょっと具体的な話。
3. 日本独特のコミュニケーションをぶっ込むな
これまで見てきた中で、あまり英語はできないが周りから好かれる日本人と、英語はできるのに周りから慕われない日本人とがいる。好かれる人というのはその人のパーソナリティに依る所が大きいが、「英語できるのに友達できない人」が必ずしも性格最悪というわけでもない(と思う)。では、いったいなぜ。
すぐネガティブなことを言うから。
ニューヨークで知り合った知人の例(駐在帯同3年予定、出会った時点で1年経過)。語学学習の集まりで、皆で食事へ。メンバーは日本人数名、アメリカ人一名、その他国籍数名。一人、日本人の若い女性がアフリカへ数ヶ月インターンシップをしにいくと言う。皆がそれは楽しみだねと祝福する。この知人は突然、 “You will have problems there.” と言う。場の空気が凍り、アメリカ人が不満そうに”Why?” と問う。知人は「問題はあるだろうけど、どうせすぐにアメリカに戻ってくるからOKよ」的な事を追加でいう。アメリカ人も、その他の国の人たちもイマイチ理解できなかったようで、何となく気まずい空気のまま次の話題に移った。
これは多分日本人であれば感覚的に分かると思う。彼女は「多分色々大変なこともアフリカだから多いでしょうけど、まあどうせ数ヶ月で戻るんだからそれならいいよね」的なニュアンスで言いたかったのだ。ただ、You will have problems ピリオド。…はあまりにもキツイ言い方で、相手に呪いの言葉をかけているように聞こえる。誤解を回避したければ、Threre might be some challenges for you, but I’m sure you’ll do great. とかそんな程度に留めておけば良いだろうに。というか、もっと言ってしまえば、そもそもそんな事すら言う必要ないのだ。ここはアメリカなのだから、ただポジティブにおめでとう!とかエキサイティングだね!とか祝福しておけばいいのだ。
しかし、この例に出したタイプの人は意外と多い。というのも、日本人同士では「ネガティブさ」が会話を盛り上げる鍵になり、「大変さ」を売りにするからだ。この知人も含めた日本人同士の駐妻の集まりみたいなのに呼ばれたことがあるが、そこは旦那の悪口大会であった。しかも知り合って間もない者同士で割とガチに「え、その男けっこうクソじゃん?」みたいな内容をシェアする。非常に気持ち悪いと思ったので次から2度と参加しなかったが、思えばこれは極端ではあるが日本人的コミュニケーションの典型だなと思う。何か大変なことや愚痴をシェアすることで親密さを深める、日本独特のコミュニケーション。
そして、こういう類のコミュニケーションは欧米では通用しない。通用しないどころか、けっこう引かれると思う。当然、そういう人には日本人以外の友達は出来にくい(日本人なら誰でもいいから友達になりたい系のアメリカ人とは友達になれると思う)。
この知人ほどではないにしろ、他にも集いの場で当たり前のようにパートナーや自分を卑下する発言をしたり、やたら「大変さ」アピールしたり、楽しい話題なのにそこに昔あった事故の話とかぶっ込んできて場を神妙にさせたりする人たちを相当数見てきた。どうしてもそういうコミュニケーション様式を取りたいなら、せめて日本語の時だけにした方がいいと思う。本当に。
ちなみに私は後日、この知人から個別に「どうしたら外国人(白人系を意味していると思われる)の友達ってできるの?」という相談を受けた。
まとめ
駐在帯同となると、これまた日本人の悲しい性で、やたらと「あそこには絶対行っておかないといけない、英語できるようにならないと、アメリカ人の友達がいないと…」といった雑音(あるいは強迫観念)が入ってくる。実際には日本人同士だけでつるもうと、アメリカ現地の友達を中心に作ろうと、一人でのんびり過ごそうと、問題ない。問題なのは、自分に合わないと思っていることをダラダラ続けたり、やりたいことなのにダラダラ先延ばししていることではないかと、7年アメリカで生きていて思う。そして、現地で周囲の人と円滑に楽しく過ごすには「英語ペラペラ度」よりも「異文化理解度」の方がはるかに重要であるように思う。
そんな私はおそらく今年か来年あたりで駐在帯同は終わり、グリーンカードに移行すると思うが、それはもう少し先の話。