アメリカで就活をする中で面白かった事の一つは、日本との考え方の違い、進め方の違い、ひいては文化の違いに直面する事でした。ここでその幾つかの違いを紹介します。
仕事ブランクに対する認識の違い
私は渡米の際に日本での仕事を辞めてから3年が経過した段階でEAD(就労許可)を取得し、就職活動を始めました。つまり前の仕事から3年以上のブランクを経ての就活ということになり、このブランクを面接で突かれるのではと思っていました。少なくとも日本では仕事のブランクについて必ず訊かれるか、訊かれる以前にマイナス要因にされるはずです。
そのため面接で尋ねられた時にキチンと筋道立てて答えられるように考えてはいましたが、実際には採用過程でその3年ブランクについて訊かれた事は一度もありませんでした。アメリカに来てから就労許可はないもののボランティアでの仕事は定期的にやっていたため、その事を私が最初の方に言及するようにしていたというのもあるかもしれません。…とは言え、日本だったら絶対もっと厳しく追及されたはずだと思っています。その意味でもアメリカは実際のスキル重視というか、あまり細かい所は気にしないというか。
この「仕事ブランク」はアメリカ人の友人・知人からも「いちいち気にしなくていい」と言われました。その辺の感覚の違いは、やはり日本人の「休むことに対する罪悪感」なども起因しているのかなと思ったりもします。
普通の日本、スペシャリストのアメリカ
人事部が圧倒的にコントロール力を持つ日本と、各部署が自分の部署をコントロールするアメリカ、その違いは採用過程だけでなく、採用後の働き方にも大きな違いを及ぼします。結論から言うと、ある程度のスキルがある経験者にとってはアメリカの方が良い職に採用もされやすく働きやすくもある印象を受けます。
日本社会は良くも悪くも「普通の人」を育てるのが好きなため、会社もなるべく従業員に多くの部署を経験させようとします(平たく言えば勝手に人をあちこち飛ばす)。対してアメリカは専門性を重視するため、一つの職種で経験を積んだらそこのスペシャリストとしてスキルを伸ばします。経験もないポジションにいきなり人事の一存で異動ということは基本的に考えられません。
つまり採用の時点でも、アメリカではその分野での「スペシャリスト」である事が重視されます。その意味で新卒にとってはキツい戦場となるわけですが(そのためインターン経験などが重視される)、逆に日本で職務経験があり、その経験がアメリカにも適用できる場合は就職のチャンスが十分あると言えます。
また日本では「何でもできます、何でもします」的な姿勢が重視される傾向がありますが、アメリカはジョブ・ディスクリプションに書かれた分野を「その分野のスペシャリストとして遂行する自信がある」旨をしっかり見せる事が尊重されます。
日本的な謙虚さ(へりくだり)はアメリカでは下手したら「自信に欠ける人物」と見なされる可能性がある事、また「何でもやります」的な姿勢はアメリカでは逆に「何もできない人」と思われる可能性がある事は、就職の際に頭に留めておいたら良いことの一つではないかと思います。